当クリニックは2009年9月より開院致しました。アメリカで病気に罹った際、英語での表現など、不安な方々も多い事と思いますが、日米両国の医師免許を持つ医師が、かかりつけ医として日本語で丁寧に対応致します。アメリカにおいてかかりつけ医(Primary care doctor)の役割は病気はもちろん、その予防、生活一般まで総合的かつ継続的な健康に関して把握し相談にのる役割があります。詳しくは下記をご参照下さい。
院長 鈴木朗子
アメリカのプライマリケア(かかりつけ医)とは
アメリカではプライマリケア医 (PCP) とは、何をしているのか紹介させて頂きます。一言で言えば、患者様の病気はもちろん、その予防、生活一般まで総合的かつ継続的なWell-being、健康や幸福とでも訳すのでしょうか、を担う職業です。病気に関して言えば、患者様の持っている病気に関して把握し、相談に乗る役割があります。他の専門医に紹介した疾患でも、どのような状況にあるのか、専門医と連絡をとりあいます。アメリカでは一般内科、小児科、家庭医科、Family Practiceの3つの科がそれにあたります。Family Practice(家庭医科)と内科、小児科の違いはFamily Practiceはすべての年齢層を対象にしていて、名前の通り、家庭単位でのWell―beingを担うといった哲学が根底にあるように思われます。一方、内科、小児科医も、総合的に診ますが年齢層別に、掘り下げた知識を持っています。
米国科学アカデミー (Institute of Medicine) が1976年に定義したプライマリケアを簡単に紹介します。5項目あり、
Accessibility (近接性)
Comprehensiveness (包括性)
Coordination(協調性)
Continuity (継続性)
Accountability (責任性)
となっています。 一つ一つ具体的に説明していきたいと思います。
1. Accessiblity (近接性)
色々な意味で身近な存在ということ、例えば時間的、そして精神的といったことが含まれます。必要な時に気楽に自分の健康に関してあらゆる相談に乗る役割があります。
2. Comprehensiveness (包括性)
Primary Care医(PCP)とは、患者さんの健康を総合的に担う役割があります。それには、予防、治療、リハビリテーション他などが含まれます。しかし、全ての領域をPCPがカバーすることは、不可能です。ですから、次の項目にも出てきます協調性に出てくるネットワーキングが大切になってきます。予防に関して申し上げると、特に癌の予防はアメリカではガイドラインに沿ってかなり積極的になされていると思います。あらゆる学会のガイドラインを元に忠実に行われていて、PCPも熟知しています。 ガイドラインの変更など、新しい情報にもPCPは敏感です。
3. Coordination (協調性)
これには、各分野の専門医とのコミュニケーション、社会的保健・医療・福祉資源の活用などがあります。 Comprehensivenessのところでも申しましたが、一言で患者さんの健康と申しましても、範囲が広すぎて一人では担いきれないので、プライマリケア医はネットワーキングが医学の知識と同等かそれ以上にとても重要になってきます。今日のめざましい医学の発展において一般内科医がすべての専門についての知識や技術を得ているということは、不可能です。しかし、あらゆる病気の初期症状を鑑別、把握して、重篤かつ迅速な対応が必要とされる疾患はすぐに専門医を紹介する、そうでないものは、経過観察するなどは可能です。専門医に紹介した患者さんの経過の状況などを把握するためのコミュニケーションも大切です。ですから、信頼出来る専門医を知ることは大変重要になってきます。
4. Continuity(継続性)
継続して患者様を診られるということは、PCPの特権の様な気がします。健康ないし、安定期に患者様を知っていれば、病気になった時の変化などに迅速応出来ます。また、治癒後患者様の健康になられた姿を拝見する事が出来ると仕事をしていてやりがいを感じます
5. Accountability(責任性)
これには、患者様への十分な説明、医者の生涯教育などが含まれます。 医師免許のほかにアメリカでは認定医制度が普及しています。何年に認定医資格を得たか、などの情報は、インターネットに載っています。内科認定医は10年ごとに更新です。
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